木村將棋

木村將棋

編集人:片山栄一
発行所:中部日本新聞社
発行日:昭和25年7月10日 発行

目次


第一局 対五十嵐八段
第二局 対高島八段
第三局 対原田八段
第四局 対塚田前名人
第五局 対大山八段
第六局 対北楯八段
第七局 対丸田八段
第八局 対升田八段
第九局 対大野八段
第十局 対坂口八段
棋道の探求即人生の探求


書評

 本書は昭和24年に中部日本新聞社が企画した木村義雄名人対A級八段
10人との対局を、新聞掲載後の翌年に1冊にまとめたものである。
 対戦成績は木村名人側から見て次のとおりである。
第一局 対五十嵐八段 ● 123手
第二局 対高島八段  ◯ 118手
第三局 対原田八段  ◯ 98手
第四局 対塚田前名人 ● 107手
第五局 対大山八段  ◯ 120手
第六局 対北楯八段  ◯ 112手
第七局 対丸田八段  ◯ 106手
第八局 対升田八段  ● 129手
第九局 対大野八段  ◯ 120手
第十局 対坂口八段  ● 103手
 6勝4敗の成績はやや木村としては物足りない気がしなくもない。
しかし、全て後手番で当時44歳という年齢を考えたとき、木村の将
棋はまだまだ衰えていないとの印象を深めたのも確かである。
 事実、この十番将棋の行なわれた翌年も、第9期名人戦で大山の挑
戦を退け、第10期名人戦でも升田を退けている。
 巻末の木村名人執筆による「棋道の探求即人生の探求」で木村が各
対局者について忌憚のない意見を述べているが、名人ならではの視点
で、この部分だけでも読み物として面白い。





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